SQL Server Expressのインストール手順
開発環境の整理をしている中で久しぶりにSQL Server Expressのインストールを行ったのですが、以前のバージョンと変わっているところも色々とあったので、備忘録として書き残しておきます。
“基本”と”カスタム”の違いや、よくあるエラーの対応についても補足します。
インストーラの取得
まずはMicrosoftのサイトからインストーラを取得します。
サイト下部にある”Express”の[今すぐダウンロード]をクリックすると、「SQL Server Express Edition」のインストーラを取得できます。
ダウンロードしたファイルは自分で管理しやすいところに保存してください。
インストール実行
ダウンロードしたインストーラを実行します。
インストールの種類
“インストールの種類”は「基本」でも良いのですが、後々、調整が必要になることも多いので、今回は「カスタム」でインストールを行います。
“基本”と”カスタム”の違いについては後述しますので、気になる方はページ後半を参照してください。
インストールメディアのダウンロード
ダウンロードの場所は特に変更する必要はありませんが、好みに応じて変更しても構いません。
ただしインストールを後から再実施する場合や、後でアンインストール・再インストールする際はダウンロードしたファイルの削除が必要な場合があります。
ダウンロード場所が分からなくならないようにしておきましょう。
インストール用のファイルをネット上からダウンロードしますので、インターネットに接続している必要があります。
インストールセンター
ダウンロードが完了するとインストールセンターのメニューが表示されるので、「SQL Serverの新規スタンドアロンインストール~」を選択します。
ライセンス条項
ライセンス条項が表示されるので、内容を確認したうえで「~同意します」にチェックを入れて(入れないと次へ進めないですし)[次へ]を押します。
インストールルール
ファイアウォールが有効になっていると警告が表示されると思いますが、リモートアクセス用にポートを確認する旨の内容なので、リモートアクセスしないのなら特に問題ありません。
リモートアクセスが必要であれば別途インストール後にポートの開放などを行いますが、ひとまずインストールは進めましょう。
もし“状態”が「失敗」となった項目がある場合はインストールが進められませんので、内容を確認して解消してください。
Azure拡張機能
Azure拡張機能の設定を行います。
必要であれば設定を入力しますが、今回は不要なのでチェックを外して[次へ]を押します。
機能の選択
インストールする機能と各種ディレクトリを指定します。
特に意識する必要がなければデフォルト設定のままで問題ありませんが、今回は「レプリケーション」と「言語の拡張」は不要なのでチェックを外し、また「インスタンスルートディレクトリ」をDドライブにしました。
内容を確認して[次へ]を押します。
インスタンスの構成
インスタンス名とインスタンスIDを設定します。
今回は「既定のインスタンス」を選択しますが、複数のインスタンスが必要な場合は名前付きインスタンスを選択して独自の名前を指定します。
インスタンスIDはインスタンス名が自動で使用されるのでそのままにします。
インスタンス名(とインスタンスID)が決まったら[次へ]を押します。
サーバーの構成
サービスアカウントと照合順序を指定します。
今回は特に変更せず、このまま[次へ]を押します。
データベースエンジンの構成
認証モード等を指定します。
Microsoft推奨はWindows認証とのことですが、今回はレガシーアプリケーションからの接続を想定して、混合認証モードを選択してパスワードを設定します。
この設定は後からでも変更できるので、ひとまずWindows認証で進めても問題ありません。
設定して[次へ]を押すと、ようやくインストールが始まります。
インストール
完了の画面が出ればインストール完了です。
お疲れ様でした。
新規のインストールであれば、続いて、クライアントアプリケーションである「SQL Server Management Studio(SSMS)」のインストールも行いましょう。
SSMSが無くてもSQL Serverを使用することはできますが、すべてコマンドでの操作となるため、可能であれば何かしらクライアントアプリケーションがあると良いですね。
“基本”でインストールした場合
今回は”カスタム”インストールの手順を紹介しましたが、“基本”でインストールした場合との違いについて補足します。
“基本”でインストールする場合は、これまでの手順で説明したような幾つかの設定を行う必要がなく、ワンクリックでインストールが完了します。
逆に言えば、様々な設定が初期値でインストールされることになるため、特に次の2点について注意が必要です。
インスタンス名
“基本”でインストールした場合、インスタンス名は「SQLEXPRESS」となります。
そのため、ローカル環境から接続する際のインスタンス指定には
localhost\SQLEXPRESS
と設定する必要があります。
ログイン認証
認証方式は「Windows認証」となります。
もしアプリケーションからの接続などでどうしても「SQL Server認証」が必要な場合は、SQL Serverにログインして、認証方式の変更及び認証アカウントの設定が必要となります。
インストールに失敗したら
インストールがうまくいかない要因はいくつかありますが、代表的なパターンについて紹介します。
事前に再起動が必要
何かしらのアップデートやアプリケーションのインストール・アンインストールを行った際に、システムの再起動を求められることがあります。
SQL Serverのインストール時も、システムの再起動を求められることがあるので、そういったメッセージが出た場合は素直に再起動してからインストールを実行しましょう。
空き容量が足りない
シンプルにストレージの空き容量が足りない場合があります。
インストールメディアのダウンロード時に、必要な空き容量があるか(最小空き領域>ダウンロードサイズ)確認しておきましょう。
スタートアップハンドルが見つかりませんでした
インストールの途中で、「データベースエンジンのスタートアップハンドルが見つかりませんでした。」というエラーになることがあります。
権限不足によるエラーの可能性が高いので、インストールの実行を「管理者権限で実行」しつつ、サービスアカウントに管理権限のあるアカウントを指定します。
古いインストールファイルが残っている
同じマシンで以前にSQL Serverのインストールを行ったことがある場合、SQL Serverはコントロールパネルからアンインストールを行っても、様々なファイルが残っており、次にインストールを行う際に古いファイルが残っているせいでインストールに失敗することがあります。
詳細は割愛しますが、「SQLServer アンインストール 完全」といった内容で検索すると、手順が調べられると思います。
SQL Serverの名前の付いたフォルダ・ファイルや、場合によってはレジストリも編集する必要がありますので、作業時は注意が必要です。
インストール手順の途中にあった、”インストールメディアのダウンロード”でダウントードしてきたファイルも削除しますので、保存先を変更する場合は場所が分からなくならないようにしましょう。
ストレージのセレクターサイズ
SQL Serverが2023年11月時点でサポートしているディスクのセレクターサイズは、512バイトと4KBであるため、これら以外のセレクターストレージサイズのシステムではエラーとなります。
対応方法はMicrosoftのトラブルシューティングを参照ください。
まとめ
SQL Server Expressのインストール手順、”基本”と”カスタム”の違い、インストール時によくあるエラーについて解説しました。
SQL Serverのインストールはこれで出来たと思いますが、クライアントアプリケーションもあったほうが便利なので、代表的な「SQL Server Management Studio(SSMS)」も併せてインストールすることをお勧めします。