IT雑学

Composerをインストールする

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新しい環境でPHPの開発を行う機会があり、久しぶりにComposerのインストールを行ったので、備忘録として手順を記録しておきます。

「Composer」とは?

「Composer」は作曲家・構成者・作成者を意味する英単語ですが、プログラム関連用語としてはPHPのパッケージ依存管理ツールのことをさします。

PHP: Composer 入門
PHP: Composer 入門

現代の商用システム開発においては、0から全ての処理を自らの手で記述することはない、と言っても過言ではないと思います。

ある程度ベースとなるツールを用意して、その上で必要な機能を個別に構築していくという方法がほとんどでしょう。

高水準言語を用いてプログラミングすることも、機械を動かすためのツールを使用している、とも言えますね。

この時にベースとして使用する機能群のことを「パッケージ」(あるいは「ライブラリ」「フレームワーク」など)と言いますが、それらも細かな機能の集合体となっているため、ある特定のパッケージを使おうと思ったときに様々な機能をインストールする必要があります。

個別に必要なものを調べて、一つずつ地道にインストールしていくこともできますが、抜け漏れがあったり設定を間違えたり、と結構大変な手間となってしまいます。

その面倒な手順を一括管理してくれるのがComposerというツールです。

Composerを使うメリット

メリットとしては前述のとおり、依存関係のあるパッケージを一括で管理できる、という点ではあるのですが、少し具体的な例を交えて解説します。

パッケージ依存関係の管理コスト削減

依存関係というと仰々しいですが、要は、必要なものをまとめて持ってきてくれる、ということですね。

Composerがないときは、「ある”A”というライブラリを使用したいのに、そのためには”B”というライブラリも必要で、さらには”B”を使用するためには”C”と”D”というライブラリも必要で…」というように、ある機能を使用するために必要なものを探してはインストールする作業の繰り返し、というのも良くある話でした。

この面倒な作業をすべて肩代わりしてくれるのがComposerです。

必要なものを一つずつそろえていくのは結構大変ですし、構築した人や時期によってらいっぶらりのバージョンが違っていた、といったことも起こり得ます。

システム開発となれば複数人で行うことも多く、それぞれの開発環境に違いがあっては最終的な不具合にも繋がりかねません。

Composerには”composer.json”という設定ファイルがあり、これに依存関係のあるパッケージを記述することができるため、個人毎の管理に頼らずに必要なものを適切に揃えることができるようになります。

なお、そもそもComposerを使用する前提となっているパッケージもあるので、PHPで開発を行う際は、Composerを使用することは必須と言っても過言ではないかもしれません。

環境構築コストの削減

前述のように、依存関係の管理を行う必要がなく、環境差異が無くなることをメリットとして挙げましたが、単純に環境構築にかかるコストを大幅に削減できるのも、実用上の分かりやすいメリットとなります。

Composerはコマンドラインの操作で必要なパッケージをまとめてインストールしてくれます。

コマンドラインの操作、とは言っても数回程度のコマンドを打つくらいなので非常に簡単です。

調べる・探す・インストールする・設定する、といった一連の作業を個別のパッケージ毎に行う必要がないので、環境構築の作業時間の短縮が見込めます。

環境別にパッケージ管理が可能

“composer.json”という設定ファイルがあると記載しましたが、これにより、環境別にインストールするパッケージを変更することもできます。

例えば、開発環境ではデバッグ用のパッケージを使用しているが本番環境では使わない、といった場合も、手動で必要なものをインストールする、または不要なものを削除する、といった作業は必要なくなります。

設定ファイルへの記述でコントロールすることができるため、手動作業によるミスを防ぐことができます。

インストール状況の確認

対象のPCにComposerがインストールされているか確認してみましょう。

コマンドプロンプトを起動して、次のように打ち込んで実行します。

composer -V

Composerのバージョン情報が表示された場合は、そのマシンには既にComposerがインストールされています。

インストールされていたら、今回のお話はここで終了ですが…。

Composerがインストールされていないマシンでは、「’composer’は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチファイルとして認識されていません。」といったメッセージが表示されます。

Composerのインストール

新規でComposerをインストールするには、公式サイトからインストーラを取得してきてインストールする方法が簡単です。

インストーラのダウンロード

公式のダウンロードに行ってインストーラを取得します。

Download Composer
Download Composer

2024年3月末時点でv2.8.6でしたが、4月早々にv2.8.8になっていました。

最新版を取得するようにしましょう。

インストーラ実行

ダウンロードが完了したら実行しましょう。

最初に全てのユーザーに対してインストールするか、ログインアカウントのみに対してインストールするか、を選択します。

インストールする環境の管理状況によるので、PCの管理者等がいる場合は事前に確認しておきましょう。

お使いの環境によっては管理者権限が必要になります。

インストールモードを選択したら、次にインストールタイプを選びます。

「Developer mode」はカスタムモードのようなものなので、特段の理由がなければチェックを付ける必要はありません。

そのまま[Next]ボタンを押します。

インストール環境にあるPHPのパスを指定します。

通常は自動で表示されますが、もし変更したい場合は[Browse]ボタンから手動で指定しましょう。

内容を確認して[Next]ボタンを押します。

プロキシの設定を行う場合は、ここで設定します。

不要であれば、そのまま[Next]ボタンを押します。

ここまでに指定した内容が表示されますので、内容を確認して、変更する必要があれば[Back]ボタンで戻って修正します。

内容に問題がなければ、[Install]ボタンを押してインストールを実行します。

といった感じで、特別な設定を行わないのであれば、[Next]ボタンを押し進めるだけでインストールができます。

インストール完了

インストールの処理が終わると、インフォメーションが表示されます。

あまり気にする必要がありませんが「インストールが上手く反映していないようであれば、コマンドプロンプトを開きなおしたり、Windowsにログオンし直したりしてください」といった内容が書かれています。

この後のインストール結果の確認でバージョン情報が表示されない場合は、上記を試してみましょう。

一応内容を確認して、[Next]ボタンを押します。

以上でインストールは完了です。

お疲れ様でした。

インストール結果の確認

インストール状況の確認と同様に、コマンドプロンプトで次のコマンドを実行してみます。

composer -V

インストールが完了していれば、次のようにバージョン情報が表示れます。

また、次のコマンドを実行すると環境を診断してくれます。

composer diagnose

問題なければ全てOKと出ますが、何か問題があれば個別に対応する必要があります。

OpenSSLのエラーが出たら

インストール時にOpenSSLのエラーが出た場合は、php.iniを確認します。

php.iniの場所は個々の環境によりますので、お使いの環境を確認してください。

エラーが発生する場合は、ファイル内に下記のようなコメントアウトされている行があると思います

;extension=php_openssl.dll

先頭のセミコロンを削除して、コメント解除しましょう。

まとめ

Composerのインストールについてまとめました。

色々書きましたが、手順自体はほぼインストーラを実行するだけなので簡単だと思います。

PHPの開発にはきっと必要になってくると思いますので、サクッとインストールしましょう。

ABOUT ME
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理系大学卒業後、音楽の専門学校へ。ギター・ドラムでの音楽活動を経て、30歳手前でプログラマーへ転身。
ウェブシステム・スマホアプリ・マクロツールなど様々な受託開発を経験した後、メーカー企業で業務アプリケーションの開発に携わる。45歳を過ぎて独立、グローナレッジ設立。
応用情報処理技術者、ウェブデザイン技能検定3級、色彩検定2級、日商簿記2級。登山は富士山経験あり、マラソンはハーフ1h58m。
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