【ITツールレビュー】Jackery ポータブル電源
キャンプ・車中泊やアウトドア用の電源として、また急な落雷による停電など様々な災害への備えとして、家庭用ポータブル電源の需要が高まっています。
筆者も自宅に備えようとJackery(ジャクリ)のポータブル電源を導入しましたので、活用方法などを紹介しようと思います。
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ポータブル電源とは?
“ポータブル電源”といったときに、どういったものを思い浮かべるでしょうか?
発電機との違い
電力の供給という意味で”発電機“を思い浮かべる方も居ると思いますが、ポータブル電源との違いとしては下記のような点があります。
ポータブル電源 | 発電機 | |
---|---|---|
稼働時の音量 | 静か | かなり大きい |
排気 | なし | あり、換気が必須 |
給電量 | 容量に制限がある | 燃料さえあれば発電可能 |
重さ・サイズ | 数百グラム~十数キロ 手のひら~床置きサイズ | 数十キロ 気軽に持ち運ぶことは難しい |
最近では小型の発電機も多く発売されていますが、気軽に導入するにはまだ難しい印象です。
モバイルバッテリーとの違い
スマートフォンを持っている多くの方が、スマートフォンの電池が無くなった時に備えて”モバイルバッテリー“も持っているのではないかと思います。
今どきであれば5,000~30,000mAh程度の容量のものが多く、大きさも手のひらに収まるくらいで、普段から持ち歩いている方も多いでしょう。
こういったモバイルバッテリーも広い意味ではポータブル電源ですが、一般的には下記のような違いで使い分けられています。
ポータブル電源 | モバイルバッテリー | |
---|---|---|
容量 | 60,000~625,000mAhが主流 | 5,000~30,000mAhが主流 |
定価出力 | 200~2,000W程度 | 20~30W程度 |
入出力ポート | ACコンセント シガーソケット USB Type-A USB Type-C | USB Type-A USB Type-C |
重さ・サイズ | 1~15kg 卓上~床置きサイズ | 200~500g程度 手のひらに収まるサイズ |
モバイルバッテリーは「カバンに入れて日常的に携帯できる」「スマートフォン・タブレット・PCの充電用」といったイメージですね。
仕様概要
今回、筆者宅で導入したのは「Jackery ポータブル電源 400」です。
Jackery ポータブル電源 400 | |
---|---|
電池タイプ | リチウムイオン電池 ※直近のモデルではリン酸鉄リチウムイオン電池になっていますので、より使い易くなっています |
容量 | 約400Wh |
出力 | 定格出力:200W ・AC出力:100V/2A 60Hz ・DC出力:12V/10A ・USB-A出力:5V/2.4A × 2口 |
サイズ | 230 × 153.2 × 167.3mm |
重量 | 約4.1kg |
収納ポーチと充電用ACアダプタおよびシガーソケットが付いてきます。
ACアダプタによるコンセントからの充電であれば7.5時間で空から満充電となります。
充電は自動車のシガーソケットの他、別売りのソーラーパネル(SolarSaga)からの充電も可能なので、出かけた先でも充電することができます。
出力に関しては、コンセント×1・USB-A×2・シガーソケット×1の計4口がありますので、最大で4台の機器に同時に給電が可能です。
なお本モデルでは入出力ポートがすべて前面にありますが、モデルによってはAC入力ポートが側面についていますので、設置場所のスペースには気を付けましょう。
各部のサイズ感
Jackeryのポータブル電源は様々な容量バリエーションがありますが、容量400Whだとサイズは小ぶりの炊飯器くらいです。
発電機のような機械に比べれば、設置や収納に困るほどではないので、家庭でも導入しやすいですね。
キャンプなどのアウトドア用に車のトランクルームに乗せても邪魔になりませんし、特に小容量であれば非常にコンパクトなので、リビングなど家庭内への設置にも適しています。
キャストの荷物スペースは決して広くないのですが、それでも全く邪魔にならないサイズですよ。
但し、後述するように載せっ放しは危険なので止めましょう!
なお、付属のACアダプタのボックスサイズは110 × 55 × 35mmですが、前後にケーブル接続するので長辺方向は170mm程度のスペースを必要とします。
本体の設置場所を決める際には、併せてACアダプタのスペースも用意しましょう。
重さ、持ち運び易さ
重量は約4kgなので、2リットルのペットボトル2本程度と考えれば、十分に持ち運びできる重さです。
普段は本体と一体になっていますが、上部に持ち手もついているので、移動する時はサッと持ち出せます。
なお、後述のように容量によって重さも変わってきますが、持ち上げるのが難しいくらいの重さのモデルはキャリーケースのようなタイヤと引手がついていますので、平らなところであればそれほど移動は難しくないと思います。
サイズ・重さは容量に応じて
大きさ・重さ共に、容量が大きくなれば大きくなり、小さくなれば小さくなりますので、目的・用途・設置場所に応じて最適なモデルを選択しましょう。
モデル例 | 容量 | サイズ | 重さ |
---|---|---|---|
ポータブル電源 1000 New | 約1,000Wh | 327 × 224 × 247mm | 約10.8kg |
ポータブル電源 240 New | 約240Wh | 231 × 153 × 168mm | 約3.6kg |
ポータブル電源 600 Plus | 約600Wh | 300 × 219 × 197mm | 約7.3kg |
Explorer 100 Plus | 約99Wh | 126 × 86 × 87mm | 約1kg |
重さは大体、容量100mAhあたり1~1.5kgくらいの目安かな、と。
日常的な活用のススメ
災害時やいざという時の備えとして保管しておきたくなりますが、使おうと思った時にすぐ使えなければ意味がありません。
かといって仕舞い込んでいても勿体ないので、日常生活で活用しましょう。
昼間の電気利用
筆者宅では屋根にソーラーパネルを設置しており、現時点では、太陽光で発電した分は家庭内で使用するより売電したほうが金銭的な効果が高いです。
そのため、昼間のちょっとした充電・電気利用にポータブル電源を使用することで、次のような効果があります。
- 単価の高い昼間の電気使用量を抑える
- 昼間にソーラー発電した分はなるべく売電する
主な用途としては、
- ノートPCの充電
- スマートフォン・タブレットの充電
- スマートウォッチの充電
- ワイヤレスイヤホンの充電
- サーキュレータ
- コードレス掃除機の充電
といったところですね。
定格出力が200Wなので調理系の家電は使えないのですが、普段使用する機器の充電に丁度良いサイズと容量です。
また出力端子が複数あるので、スマホやタブレットなど複数の機器を同時に充電することが出来るのはとても便利ですね。
最初の頃は、意識していないとつい壁のコンセントに繋いでしまいますが、慣れてくると普通にポータブル電源にケーブルを繋ぐようになりますよ。
深夜電力で充電
昼間は蓄えた電気を使用する一方で、単価の安い深夜電力で充電をしています。
日常的に使用しつつも定期的に充電を行うことで、概ね満充電である状態を維持しつつ、いざという時の備えることが出来ています。
充電のタイミングはSwitchBotのプラグミニを使用し、タイマーで自動オン・オフをセットしているので、日常的に手動でプラグの抜き差しをする必要が無いようにしています。
なおSolarSagaでポータブル電源の充電もできるのですが、Jackeryのソーラーパネルは屋外に常設できるタイプではないため、どうしても出し入れする手間はかかってしまうのがちょっと残念ですね…。
いざ使う時に備えて
また普段から使用しておくことで、いざという時でも慌てずに使えるという点も、日常的に使用するメリットですね。
充電状態の確認も兼ねて、普段から使用することをおススメします。
筆者宅ではリビングに設置して、充電ステーションとして活用しています。
もちろん、充電と放電を繰り返すことで内部のバッテリーが劣化していくことは完全には避けられません。
ただリチウムイオン電池搭載の本モデルでは、0%から100%への充電を1サイクルとした場合、500サイクルの充放電を繰り返しても80%の充電容量が保証されています。
具体的には例えば3日に1回、1サイクルの充放電を行ったとしても、4年以上の期間、80%以上の充電容量が確保されていることになります。
選ぶポイントは?
防災用・蓄電用・節電用・外出用・アウトドア用…と、様々な用途に合わせて容量・サイズを選択できるバリエーションが揃っているので、検討するポイントを簡単にまとめます。
- 普段から持ち運びたい>なるべくコンパクトなサイズで
- 災害への備えを万全にしたい>大容量のモデルを
- 調理器具やDIYで使用したい>定格出力の大きなモデルを
- 家族みんなで色々使いたい>出力ポートが多いもので
- アウトドアで使いたい>ソーラーパネルとのセットも検討してみては?
- とりあえず試しに使ってみたい>まずは300Wh or 600Whで試してみては?
結局のところ用途・目的に合わせて、ではあるのですが、災害への備えと考えれば保険として購入しても損はないと思いますし、気になっている方は、コンパクトで手ごろな価格のモデルを導入してみてはいかがでしょうか。
導入時に気を付けることは?
うまく活用すれば便利なポータブル電源ですが、電気を扱うものなので、当然注意しなければいけない事もあります。
用途に合った出力を選ぶ
モバイルバッテリーを選ぶ際などもそうなのですが、容量の違いは分かりやすいのですが、もう一点、気にしなければならない仕様として、”定格出力“という項目があります。
ざっくりと言えば、その電源が安定して供給できる電力を示しています。
この定格電力が、使いたい機器の消費電力を下回っている場合、電源に接続してもその機器は使用できません。
ノートPCやタブレット・スマートフォンであればせいぜい20~50W程度なのであまり気にする必要はありませんが、熱を発する・熱を使用する機器は概ね1000Wを超えるので、小型のポータブル電源では使用できない可能性のほうが高くなります。
使いたい機器がある場合は、消費電力を事前に調べておきましょう。
例えば、電気ケトル・ホットプレート・ヒーター・炊飯器といった機器は消費電力が大きいですね。
保管状態に気を付ける
災害時やいざという時の備えとして保管しておく場合も、満充電の状態で長期間保管しておくことは内部のバッテリーに負荷をかけてしまいます。
とはいえ、いざ使用したい時にしっかり充電されていなければ備えとしての意味が薄くなってしまうので、先述の通り、基本的には日常的にも活用することをおススメします。
また、そのうち使うだろうと車に載せっ放しにしておくことも避けたほうが良いでしょう。
動作保証温度・保管推奨温度を外れてバッテリーの劣化が進んでしまう可能性の他、真夏の高温状態では、最悪の場合、機器の故障のみならず発火等による事故の可能性もあります。
反対に氷点下が続くような真冬の状況では、やはりバッテリーの劣化が進むだけでなく、充電自体が出来なくなることがあります。
所謂モバイルバッテリーでも同様の危険がありますね。
定期的なメンテナンス
メンテナンスと言っても難しいことではなく、
- どの程度充電されているか
- 故障して使用できなくなっていないか
という点を定期的に確認するようにしましょう。
いざ使おうと思ったら壊れていた、あるいは充電がされていなかった、では備えの意味が無くなってしまいます。
これに関しても、前述のように日常的に使用していれば、何かしら異常があった時にすぐに気が付くことができます。
出力ポートの取り扱いに注意
通常のコンセント同様に電気の出力口なので、各種の出力ポートに子供が手や金属などを入れてしまわないように気を付けましょう。
出力ポートが多いモデルもありますが、そういったものは子供の興味も引きやすいので、出力ポートにキャップをかぶせるなどの対策をしておくと安心です。
まとめ
実物のサイズ感や、実際に導入してからの使い方などを紹介しました。
筆者宅では日常的に使用することで電気代を節約しつつ、いざという時の緊急電源が用意できている安心感もあり、導入して非常に良かったと感じています。
ちなみに最近では、容量が99Whという手のひらサイズの「Jackery Explorer 100 Plus」というモデルが出ていて、今の自宅の備えとは別に、外出先での仕事用に追加購入を検討中です。
また、いずれソーラー発電の売電価格が下がった時に備えて(蓄電池があれば良いのでしょうけど、それも費用対効果としてはちょっとまだ当面は割に合わなそうなので)、より大容量の自宅用ポータブル電源を追加してもいいかなと考えています。