IT用語解説

“ポート”とは?~だいたい伝わるIT用語解説

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システムの環境構築の際などに”ポート“という言葉が出てくることがあります。ネットワークや機器の接続に関すること?であることは何となく想像できるかもしれませんが、具体的には何を指すのでしょうか?

ポートについて解説します。

ポートは情報の出入り口

ポートといえば、そのままの単語の意味としては「港」ですね。空港ならエアポートです。人やモノが運ばれてくる入口、あるいは離れていく出口のようなものです。空港はよく「空の玄関口」なんて言い方もしますね。

ネットワークの世界でいう”ポート”も、情報の出入口のことを言います。コンピューターとコンピューターを接続した時に情報が出たり入ったりする口のことを指します。

目に見える物理的な出入口ではなく、コンピューターの世界の中での出入口のことです。

物理的な接続口の場合もある

ただし、状況によっては物理的な差込口を指している場合もあります。例えば、

  • LANポート:LANケーブルを差し込む場所
  • USBポート:USB端子を差し込む場所
  • 4ポートHUB:差し込み口が4つあるHUB

のような場合ですね。ここは前後の文脈だったり、状況を鑑みて判断してください。

ウェルノウンポート

さて、情報の出入口とはいえ、好き勝手に出たり入ったりされては厄介です。

例えば「自宅が一つのコンピューターであり、訪ねてくる人が様々な情報である」と考えてみましょう。玄関のベルを鳴らしてくれればよいのですが、勝手口やベランダ、はたまたトイレの窓からお客さんが訪ねてくることを想像してみてください。

きっとあなたは

ちゃんと玄関から訪ねてきてくれ!

と思うに違いありません。

コンピューターの世界でも同様で、どこからでも好きなように出入りされてしまっては、まともに動作することが出来なくなってしまいます。

そこでインターネットに関する様々な資源を管理しているIANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって、主な通信の種類ごとにどのポート番号を使うか、ということが決められました。この対象となっているポート番号をウェルノウンポート番号(あるいはシステムポート番号)と呼びます。

通信の種類ポート番号
HTTP(インターネット)80
FTP(ファイル転送)21
SMTP(メール送信)25
POP3(メール受信)110
ウェルノウンポートの例

上記に一例を示しますが、このように良く知られた(Well Known)やり取りには決められたポート番号を使いましょう、ということです。

ウェルノウンポートがあることで、通信を受け取る側は決められたポートで待受けをして、通信を送る側は同じく決められたポートに情報を送ることで、スムーズに情報のやり取りを行うことができます。

※ウェルノウンポートは他にも沢山ありますので、興味があれば以下のリンクから見てみてください。

Service Name and Transport Protocol Port Number Registry
Service Name and Transport Protocol Port Number Registry

ポートを閉じる

スムーズな通信を実現する一方で、セキュリティを高めることにも効果があります。

先の自宅の例で言えば、家には玄関以外にも様々な出入口があります。しかし、どの出入口も常に開けているわけではないでしょう。開けっ放しにしていて泥棒にでも入られてはたまったものではありません。基本的には鍵をかけておいて、必要な時だけ開けていると思います。

昔は鍵なんてかけずに、いつのまにか近所の人が勝手口にお裾分けを置いておいてくれてた、なんて時代もあったものですが。閑話休題。

コンピューターのポートも同様に、必要なところだけを開けてそれ以外を閉じておくことが、不必要な通信や不正な侵入を防ぐことに繋がります。

新しい環境を構築したり外部とのやり取りを始めたりする際に、「今回は何番のポートを空けて…」といった会話があるのはこのためですね。

まとめ

ポートは情報の出入口です。

正しく設定されていれば問題ありませんが、フルオープンにするわけにはいきません。セキュリティを高めるためにも適切に開放しましょう。

またネットワーク設定の際などに、異なるアプリケーションで同じポートを使おうとすると競合が発生することになります。もし設定は合っているのにうまく通信できない場合などは、設定しているポートが他に使用されていないか、確認してみましょう。

ポート競合の一例はこちら
【XAMPP】Apache起動エラーの対処(80番ポートの競合)
【XAMPP】Apache起動エラーの対処(80番ポートの競合)
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理系大学卒業後、音楽の専門学校へ。ギター・ドラムでの音楽活動を経て、30歳手前でプログラマーへ転身。
ウェブシステム・スマホアプリ・マクロツールなど様々な受託開発を経験した後、メーカー企業で業務アプリケーションの開発に携わる。45歳を過ぎて独立、グローナレッジ設立。
応用情報処理技術者、ウェブデザイン技能検定3級、色彩検定2級、日商簿記2級。登山は富士山経験あり、マラソンはハーフ1h58m。
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